先日、東京・世田谷にあるブルワリー「ふたこビール」で醸造体験をしてきました。
私が参加したのは初心者でも安心の「基本コース」です。 (※コースの詳細はこちら: https://futakobeer.com/trialbrewing/ )
ビールや発泡酒を飲む機会はたくさんありますが、実際にどうやってこの形になっているのか詳しくは知りませんでした。普段何気なく飲んでいるものがどのように作られているのか、実際に自分の手で仕込むことで、新たな発見がたくさんありました。

IPAを仕込む
今回、私たちはIPA(インディア・ペール・エール)を作ることにしました。IPAはホップの香りや苦味が特徴的なビールで、造る過程でもホップの存在感を強く感じることができました。実際に使用したホップは3種類。それぞれ異なるタイミングで投入し、苦味や香りのバランスを調整しました。最初のホップは煮沸の初めに投入し、主に苦味をつける役割。後半に入れたホップは香りを引き立たせるためのものです。この工程だけでも、ホップがいかにビールの味を決める大事な要素かがよく分かりました。
麦芽の甘い香りと煮沸の工程



まずは、ビール作りについて簡単なレクチャーをしていただきました。そして、早速ビール作りです。原料の麦芽は、すでに粉砕されたものを使用しました。まずは、麦芽をお湯に浸して糖化する「マッシング」という工程を体験。ここで重要なのが温度管理です。なんでも、温度が少し違うだけで味やアルコール度数が変わってしまうのだそう。 スタッフさんが温度計を睨みながら、数度単位で厳密にチェックしている姿を見て、ビール造りの繊細さを肌で感じました。しばらくすると甘い香りがふわっと広がり、まるで麦茶を濃くしたような香ばしさを感じました。
ホップの投入
麦汁を煮沸したら、いよいよホップの投入です。 実際に使用したホップは3種類。袋を開けると、それぞれ「柑橘系」や「ハーブ」のような全く違う香りがして驚きました! 名前は呪文のように難しくて覚えきれませんでしたが(笑)、これらを組み合わせることで、あのビールの複雑な香りが生まれるんですね。まるで香りの調合実験のようでワクワクしました。
発酵と完成
煮沸した麦汁は、その後冷却して酵母を加えるのですが、この工程は工場側で行うとのことでした。発酵には約2週間かかり、その後さらに2~3週間熟成させ、缶に詰めて自宅に送ってもらえるという流れです。体験から数週間後、発酵・熟成を終えたビール(厳密には発泡酒※)が「缶」に入って自宅に届きました!
※ビールと発泡酒の違いについてはコチラの記事をご覧ください。

ラベルも自分たちでデザインしたオリジナルです。自分たちのビールがこうして形になると、感動もひとしおです。
さっそく飲んでみると、
普段私が家やお店でよく飲んでいるビールとは、だいぶ雰囲気が違いました。市販品が「洗練されたまとまり」だとするなら、こちらは”あえて角を残したような尖った印象”です。「飲みやすさ」だけではない、素材の個性がむき出しになったこの味。これこそが醸造体験のリアルな結果であり、クラフトビールの面白さなのかもしれません。
体験を通して感じたこと
一番印象的だったのは、やはりホップの香りでした。生のホップはまさにビールそのもので、ビールの個性を決める大きな要素であることを実感。また、今回作ったビール(発泡酒)は、単に原料を混ぜるだけではなく、工程ごとに細かい調整が必要で、非常に手間がかかるものだということも分かりました。普段は当たり前のように飲んでいるビールですが、その背景には職人たちの技術やこだわりが詰まっているのだと改めて感じました。
ブルワリーの方々もとても丁寧に対応してくださり、こじんまりとした醸造所ならではの温かさも印象的でした。今回の体験を通して、ビールに対する見方が変わり、これからは一杯のビールをより深く味わって飲むことができそうです。
おまけ:労働のあとには
醸造体験を終えた後は、併設のタップルームでビールを飲んで帰りました。 こぢんまりとしたカウンターで、タンクを眺めながら飲むビールは格別!
「あんなに手間をかけて作られているんだな……」
さっき体験したばかりの工程を思い出しながら飲むと、いつもより味わい深く感じました。体験の後は、ぜひこの「お疲れ様の一杯」まで楽しんで帰るのがおすすめです。


