煮沸は、ビール醸造プロセスにおける重要な工程の一つで、醸造された麦汁（ワート）を大きな釜やポットで沸騰させることを指します。煮沸の役割としては
・殺菌：麦汁中に存在する微生物（細菌や野生酵母）を殺菌するために沸騰させます。これにより、ビールが清潔で安全になり、望ましくない微生物による汚染や醸造中の不具合を防ぎます。
・ホップの追加：煮沸中にホップが追加されます。この過程で、ホップから苦味や香り成分が抽出され、ビールに特徴的な風味が与えられます。
・タンパク質の沈殿：煮沸中に不要なタンパク質やトラブ（麦汁中の不純物）が凝集して沈殿します。これにより、ビールがより透明でクリアになります。
・ワートの濃縮：煮沸中に水分が蒸発するため、麦汁の濃度が増します。これにより、ビールのアルコール度数や重さが調整されます。
・不要な化合物の除去：煮沸中に不要な化合物や不純物が揮発し、蒸発します。これにより、ビールの味や品質が改善されます。
煮沸は醸造プロセスの中でも最も基本的なステップの一つであり、ビールの風味や品質に大きな影響を与えます。通常は60分から90分程度続けられ、醸造者がホップの追加タイミングや沸騰中のワートの挙動を管理し、ビールの特性を調整します。
- お昼前にブルワリー訪問をしたら丁度煮沸している最中だったのでブリューハウスの窓枠から様子を見せてもらった。
- 真夏の煮沸をしている際のブルワリー内はまるでサウナのように暑い。
